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　　　　　　　　　　＜こどもの教会のための祈り（小説教）＞
　今日の旧約聖書の御言葉の中に、「あなたの口から与えられた裁きをわたしの唇がひとつひとつ物語りますように。」っていう言葉があったね。これは、神様が私達に教えて下さったことを、大事に心の中に仕舞って、それを守るように努力すると、神様が助けて下さって、前よりもっと良く解る様になる。それを家族やお友達にお話しできる人にして下さい、っていうお祈りなんだよ。神様の御言葉は、実際にやってみることがないと、本当にはそれを解る様にならないってことだね。イエス様は、そのために私達を助けて、私達を神様の子どもとして育てて下さるんだ。だからみ言葉に生きることを大事にしたいね。お祈りしましょう。

マタイによる福音書5章17－18節「福音の完成者イエス」要旨
まとめ：主イエスの敵対者は、主を「安易な人気取りの言葉で社会を混乱させる者」と非難した。そうではなく、主は、命を懸けて罪人を義人へ導くために働かれる。その主に支えられる喜びに感謝して。
聖霊の働きを求めて：
私たちの主よ、ただ言葉によるのではなく、あなたの聖霊の力によって、私達に福音を示して下さい。
（Our Lord, show us the Gospel not only by words, but also the power of your Holy Spirit.）主のみ名によって祈ります。
アーメン。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜説教＞
　本日与えられたマタイ福音書の御言葉の裏には、「イエスは律法や預言者（つまり聖書の言葉）を廃止して、人気取りをしようとしている」と考えた人々がいたと言われています。それはファリサイ派やサドカイ派といった、当時の宗教家達でした。特にファリサイ派は、ユダヤ全土の小さな町に至るまで担当者を配置し、人々の生活に目を光らせていましたから、主イエスの言動は、たちまち彼らに知られることとなりました。
　主の活動の舞台となったガリラヤ地方は、エルサレムの人々から見れば、蔑みの対象でした。ガリラヤの周辺にはユダヤ人ではない人々（異邦人）が生活する地域があり、エルサレムの人々は異邦人を、「神の定め（旧約聖書の律法）」を知らない汚れた人々として嫌っていました。生活上の必要から、ガリラヤの人々は異邦人と関わらざるを得ず、その面でも、ガリラヤの人々も汚れていると見られたのでした。
　主イエスは、ガリラヤでも特に蔑まれていた貧しい人々や病者、徴税人（異邦人のローマ人の手先になって税金を集める腐った輩と見做されていました）の友として過ごし、「私が来たのは、罪人を招くためだ」と語られました。また律法では「神を崇めることに集中する日」（従って働いてはならない日）である安息日でも、苦しむ人々を癒やすことも厭われませんでしたから、ファリサイ派やサドカイ派からは、律法を軽視すると危険視される存在となったのです。
　ファリサイ派は、死に物狂いで律法を守ろうとし、深く研究し、どうすればその要求が満たせるかを考えた人々です。しかしそこに落とし穴があったのです。彼らはこうすれば律法を守ることが出来る、という答えを出して、それに聖書に書かれた律法と同じ権威を与えました。いわば律法の施行細則に、本文と同じ権威を与えることは、人間の営みに神的権威を与える欺瞞です。これを主イエスは鋭く批判され、唯一の「律法や預言者を完成する者」として、真の生き方を示されました。
　その第1は、罪の自覚です。主イエスは、「神が律法を与えたのは、人間に罪人の自覚を与えるためでもあった」と考えておられました。勿論律法は神の定めであり、それを満たすために努力する必要があるのですが、それを追求すると、「これは無理だ」と理解せざるを得ない厳しい要求に突き当たる、そこで自分の罪を認め、悔い改めることが重要だとされたのです。その第2は、主に従うことです。今日の御言葉の直前に「あなたがたの光を人々の前で輝かしなさい。」と記されています。主は「あなたがたは、素晴らしい生きる力を、神から与えられて持っている。でもそれを間違って使っている。私が導くから、あなたがたの素晴らしさを輝かせて生きなさい」と言われたのです。先程、「律法が示す厳しい要求を、誰も持たすことは出来ない」と言いました。しかし主だけは違います。主イエスだけが罪なき方であり、神の求めを完全に果たせる方なのです。それだけでなく、人々と共に歩まれ、助けを与え、十字架につかれて私達の罪を清算し、私達に神との新しい関係を与え、復活して今なお、私達のために働き続けておられる方です。「私は律法や預言者を廃止するためではなく、完成するために来た」と言い得るのは、主イエスのみだと断言できるでしょう。その主に従う者となる歩みを、ご一緒に祈り求めていきたいと願います。
　　　　　　　　　　　　　　　　　＜祈り＞
　聖なる神様、今日もみ言葉を戴き、感謝致します。主イエスの敵対者は、主を「安易な人気取りの言葉で社会を混乱させる者」と非難したことを覚えます。それは見当違いの批判でした。そうではなく、主は、命を懸けて罪人を義人へ導くために働かれた方であり、今も私達のために働き続けておられます。その主に支えられる喜びに感謝して生きる私達として下さい。主のみ名によって祈ります。アーメン

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